土壌管理-緑化土壌の新たな視座

摘要

土壌は植物の生育を支える碁盤であり，かっさまざまな環境保全機能を発揮する環境財でもある。 その土壌も経年的にさまざまな負荷を受け，その質，機能が時には劣化する。 植栽土壌についても施工当初，十分な土壌改良対策を施し，植栽基盤整備をしたとしても，経年的に風や雨による侵食，雨滴や火の踏圧による固結化，酸性雨，植物による栄養分の収奪や雨水による流亡，肥培管理の結果の塩類集積などの影響を受け，その状態ほ変化し，時には劣化する。 植栽基盤として一定の品質を保持するためには，定期的に所定の診断を行い，その結果に基づく，しかるべく処方による改良対策が必要となる。 植栽した植物の健全性を維持し，緑地の快適性を保つためにも，また，土壌の有する環境保全機能を持続的に発揮するためにも土壌管理は不可欠なものとなる。これまでは，どちらかと言うと，このような視点が欠落していた。