低温保存から10°Cまたは28°Cに曝露された赤血球製剤の品質

摘要

日本において，赤血球製剤（RBC)は.2?6°Cで保存しなければならない.しかし，RBCは，製品出荷や輸血検 査等で一時的に保存温度の範囲外に曝露される場合がある.本検討では，保存温度の範囲外に曝露された照射赤血球 液-LR「日赤」（Ir-RBC-LR)の品質を調べた.Ir-RBC-LRが，保存9日目あるいは16日目に10°Cで24時間曝露され，再び4°C保存された場合，溶血率は10°C曙露による影響をみとめず，保存28日目まで0.3%以下であった.ATP濃度は，保存28日目で3.5μmol/gHb以上 を維持した.Ir-RBC-LRが，保存10日目に28°Cで3時間曝露あるいは保存10および14日目に1時間曝露され，再 び4°C保存された場合，溶血率は保存28日目まで0.2%以下であった.ATP濃度は，4°C保存群および双で保存群 何れも.保存双日Hで3.0μmol/gHb以上を維持した.以上の結果から，Ir-RBC-LRは，10°C曝露が24時間，28°C曝露が3時間あるいは1時間2回までであれば，赤血 球の品質に与える影響は少ないと考えられた.