高校生献血の契機に関する意識調査（第2報）一高校生にとって効果的な献血推進方法とは一

摘要

緒言:わが国では少子高齢化の影響により，主に輸血を必要とする高齢者層が増加し，献血を支える若年層が減少し，その献血率も減少傾向にある.若年層の献血者を確保するため，国や日本赤十字社等により，年代別のパンフレット作成，献血を推進するポスターの配布，献血の大切さを伝えるDVDや動画の配信など,様々な 取り組みが行われてきた2>.本研究では，若年層，特に高校生を対象に，献血に関するアンケート調査を行い，献血推進活動に取り組む上で有用な参考資料を作成しようとした.第1報では，生活習慣や体格，献血に関する知識などが高校生の献血に与える影響について検討してきた.今回は高校生の献血推進に関わる意見を解析し，高校生が献血する契機や，高校生が希望する献血に関する情報提供について検討した.方法:2013年10月から2015年3月までに静岡県西部?中部の高等学校に通学する高校生を対象にアンケート調査を行った.各高等学校に研究への参加を打診した後，参加予定の高等学校にアンケート用紙と封書を送付したへアンケート内容は，①被験者の背景，②効果的な広報手段，③献血に関する要望や知りたい事，④自身が献血する契機となりうる事，⑤初回献血の動機，などである.②と③は選択肢から複数回答可とし（Table1),④と⑤は自由記述とした.氏名や所属高校名などの個人情報は記載しないこととした.調査方法の詳細は前報告に述べた.本研究は，厚生労働省科学研究，「200ml献血由来の赤血球濃厚液の安全性と有効性の評価及び初回献血を含む学校献血の推進等に関する研究」(H25-医薬-一般-022)(代表者室井一男）の一研究として施行された.研究計画書と調査票は浜松医科大学IRB(25-196)に提出し，承認を得た.結果:アンケート用紙は35校に配布し，各校にて参加の可否が協議され，うち30校より研究への協力があった.参加人数，学年分布，性別，献血経験の有無等は第1報に示した.