認知症の診断と根本治療薬の開発に貢献するPETイメージング

摘要

要約：アルツハイマー病（AD）の診断におけるFDG-PETの有用性については既に多くの報告があり，科学的エビデンスが確立されているが，SPMや3D-SSPなど画像統計解析を利用することでさらに診断能の向上が期待できる．ADの早期診断についてもFDG-PETは軽度認知障害（MCI）の段階で将来のADへの進展を予測できるとされており，前向きの臨床研究による科学的エビデンスの確立が期待されている．一方，アミロイドイメージングの臨床応用が現実のものとなり，これまでは不可能だったADの発症前，超早期診断を実現できる可能性があるが，今後の検討に委ねられた部分も多い．PETはAD治療薬の臨床治験の精度向上，効率化するための総合的な評価システムにおいても重要な役割が期待されている．