「ラクトノナデカペプチド（NIPPLTQTPVVVPPFLQPE)」を含有する食品の摂取が健常者の情報処理能力に及ぼす影響-ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験-

摘要

我が国は，世界でも未曾有な超高齢社会に突入しようとしている.2015年発表の厚生労働省の「新オレンジブラ ン（認知症施策推進総合戦略)」によれば，認知症を患う人の数が2025年には700万人を超えるとの推計値が発表 されており，これは65歳以上の高齢者のうち5人に1人 が認知症に罹患することを物語っている.認知症は，発症 した本人のみならず，家族や職場の負担も大きく ,社会的， 経済的損失も膨大なものとなる.医薬品の開発も望まれる が，根本的な治癒を現実のものとする医薬品の開発はまだ 途上段階に過ぎない.認知症予防のために，加齢に伴う物 忘れ，軽度の認知機能低下の段階で予防することが強く求 められる中，日常生活で安全にしかも継続的に摂取できる 食品への期待も必然的に高まっている.