医薬品の安全性を保証するための品質評価に関する研究 -酸化マグネシゥム製剤中の重金属不純物含有量の検討-

摘要

酸化マグネシウムは，代表的な塩類下剤であり，習慣性 が少なく，長期投与も可能であることから，古くから制酸剤や便秘治療剤などとして広く使用され（高橋ら，2010), 小児への適応（酸化マグネシウムE便秘薬添付文書）や妊 婦に対する便秘治療（社団法人愛知県薬剤師会妊婦?授乳 婦医薬品適正使用推進研究班，2012)などにも使用されて いる.したがって，長期間の服用では，微量な不純物の蓄 積にも注意が必要であり，製剤からの金属不純物の体内への蓄積も無視できない.また，妊婦や小児への使用を考えると， より純度の高い製剤が要求されることからも，不純物に関する基 準の遵守は重要になる.近年，医薬品市場のグローバル化の流れから，金属不純物 に関しても国際的なリスクアセスメントの必要性が議論され，経口製剤中の金属不純物ガイドラインICH-Q3Dの検討がされてき た.