機能性消化管疾患診療ガイドライン ：a. 機能性ディスペプシア（FD），b. 過敏性腸症候群（IBS）

摘要

Rome III 診断基準をベースと して，2014年，日本消化器病学会から『機能性消化 管疾患診療ガイドライン2014—機能性ディスぺプシ ァ(FD)』（以下，FDガイドライン）が上梓された。 FDガイドラインではRome III基準と異なり病脳期 間を厳密に定義することなく FDを診断することが 可能となっており，本邦の実地臨床でよりわかりや すく運用しやすいものとなっている。また，ェビデ ンスの評価方法として，その質と推奨の強さを示す GRADE (The Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation)システム(表1) を用いており，より信憑性のあるガイドラインと なっているのが特徴である。なお推奨の強さは表2 のとおり表記している。