①急性膵炎診療ガイドライン，②膵仮性嚢胞の内視鏡治療ガイドライン2009，③膵炎局所合併症（膵仮性嚢胞，感染性被包化壊死等）に対する診断?治療コンセンサス

摘要

膵炎合併症としての囊胞性病 変に対する治療は，以前は外科的治療が一般的で あつたが，近年では内視鏡的に経消化管的?経乳頭 的治療の有用性が報告され，治療戦略は大きく変化 した。このようなことを背景に2009年に「膵仮性 嚢胞の内視鏡治療ガイドライン2009」（以下，ガイ ドライン2009)が作成された。この当時は，膵仮性 囊胞は一括りにされており，内部に壊死物質を含む ものも仮性囊胞として定義されていたが，2012年に 発表された改訂アトランタ分類にて「膵仮性囊胞」 は壊死を含まない限定した定義で使用される用語と なり，またガイドライン2009にて想定していた対 象の多くは「膵仮性囊胞」ではなく， 「感染性被包 化壊死(infected walled-off necrosis)」であることが 明らかとなつたため，2014年にガイドライン2009 の発展的改訂版として「膵炎局所合併症（膵仮性嚢胞，感染性被包化壊死等）に対する診断'治療コン センサス」が作成された。