バィォマーカーによる評価

摘要

呼吸器感染症の診療におけるバイオマーカーの存在意義を考えるとき，診断，重症度?予後そ して治療の指標として役立つかが重要である。細菌性肺炎と非定型肺炎との鑑別では，末梢血白血球数 (WBC)やpracateitonin (PGT)が有用であるが，重症度などにも左右されるため，その能力には限界が ある。肺炎の重症度'予後予測因子としては，炎症性マーカーではPCTがC-reactive protein (CRP)よ りも優れているが，近年循環器系マ一カ一と炎症性マ一カの双方の性質をもっproadrenomedullin(Pro ADM)が炎症性マーカ一よりも優れるとして有望視されている。治療指針の点では，PCTを治療の指標に 用いることで，予後を悪化させることなく，過剰な抗菌薬投与を抑制することができる。高齢化社会の中で 患者数が増加の一途をたどる肺炎の診療において，バィ才マーカ一の適切な使用は，種々の問題解決にも寄 与すると考えられる。