オーバービュー

摘要

リンパ系腫瘍は，悪性リンパ腫(ホジキンリンパ腫[Hodgkin lymphoma; HL] ， B細胞リンパ腫，T/NK細 胞リンパ腫)，リンパ性白血病(急性リンパ性白血病 [acute lymphoblastic leukemia; ALL]，慢性リンパ性白 血病[chroniclymphocytic leukemia; CLL]など），形質 細胞腫瘍（多発性骨髄腫[multiplemyeloma;MM]など） などから構成され，患者数の観点からは血液腫瘍診療に おける最大の対象疾患である。これらは，発生母地とな る免疫細胞の多様性を反映した多数の疾患の複合体であ る。一方，各疾患の腫瘍化と進展の分子機序，biology，臨床病態などの多様性と相まって， 化学療法，放 射線療法，抗体薬，分子標的薬，抗生物質，自家および 同種造血幹細胞移植など治療手段も多岐に上り，活発な 新薬開発が行われている。この様な現状において個々の 患者に対して適切な診療を行うには常に最新の情報を入 手して知識をupdateする努力が求められる。三大リン パ系腫瘍性疾患の治療研究のreviewという，本特集号 の企画は時宜にかなったものと言えよう。