喜多村良宅『吐方論』孜論述を通して見る、その医学思想と人物像II (4)

摘要

そこで先ず、『吐方論』篇上、坤、狂癇治験、において見られるところの、良宅の治験例について、これをまとめてみたい。この『吐方論』、上篇、坤、狂癇治験、において見られるg3の治験例において使用されている最重要のnauseant/evacuant吐剤は、〈ニ聖散〉か〈瓜帶散〉である。時に〈涌剤〉(.).〈苦薬〉()?〈越剤〉().〈吐薬〉()等と記述されることもあるが、恐らく基本的には、これら〈ニ聖散〉か〈瓜蒂散〉が、良宅流吐方の第一吐剤であったであろ、つことが伺われる。