人文科学におけるLinked Open Dataの活用

摘要

人文科学の中でも歴史学や文学,考古学などの研究分野の一部においては,研究の対象となる時代に作成された文書や絵画,あるいは遺物など(以後「歴史史料」または「史料」と称する)を入手し,それらの内容を解釈することで過去の事象を理解するというアプローチを取る.また解釈の過程で得られた知見は,他の学問分野と同様に論文や書籍(以後「文献資料」または「資料」と称する)の形で出版され,次なる研究の礎となる.個別の史料や資料は単体で研究の対象となるだけでなく,多数の史資料間の関係性に着目することで新たな知見が得られることも多い.そのため,収集された史資料に関する情報をデ一夕ベースに格納し,多様な問合せ方法に対応することが分野の発展のために求められる.