モデルベース制御開発手法：モデルベース制御と自動生成コードの量産ソフト応用

摘要

エンジン制御システム開発の生産性向上は，各自動車会社の緊急な問題となっている。 このための手段として，モデルベース開発(MBD)への期待が大きい。 標題のモデルベース制御は，MBDの一つの要素である。 MBDは「モデルを用いた開発」と定義されるが，必ずしもその具体的意味を各自動車会社が共有しているとはいえない。 ここでは，図1に示すように，「制御対象モデルと制御装置モデルを用いたVirtualとReal Worldの統合開発環境である」とMBDを定義する。 Real Worldでは，実際の制御対象と制御装置を組み合わせて制御システムを構成し機能検証を行うが，MBDでは実制御装置で制御対象モデルを制御することができ，これをHardware In the Loop Simulation (HILS)と呼ぶ。 コンピュータ上だけでの閉ループ系のシミュレーションを，Software In the Loop Simulation (SILS)と呼ぶ。 また，制御装置モデルを用い，実制御対象を制御することができ，これをRapid Prototyping Controllerと呼ぶ。