水滴を利用したパルスパワー放電による水処理

摘要

近年水処理には，耐性菌，廃汚泥を生じない新しい殺菌，分解処理技術として，オゾン処理が導入され始めている．しかし，オゾナイザによるオゾンの生成と反応槽による水との反応という2段階の作用になるため，発生後，反応槽までの間に分解してしまうオゾンがあり，水処理効率が低くなる．そのため直接水中で処理を行う新しい水処理技術としてパルスパワーを用いた水中パルス放電が研究され始めている.水中パルス放電は紫外線，オゾン，ヒドロキシラジカル等の活性種が同時に発生し，更に衝撃波も発生するため水処理に非常に有効である．しかしパルス電圧に対する水の絶縁破壊電圧が高いため，水中でパルス放電を発生させるには大規模なパルスパワー発生装置が必要である．また，電極間全体に均一にストリーマ放電を作ることが難しく，放電と水が触れる領域が少ないため水処理効率が上がらないことが考えられる．