蓄電デバイスの車両推進制御システムへの応用

摘要

近年，地球温暖化対策として，CO_2排出量削減や，化石燃料消費量低減が求められている。その対策の1つとして環境負荷の少ない移動輸送手段である鉄道の重要性が高まり，国内外で鉄道インフラの整備が進hでいる。一方で，リチウムイオン電池を始めとする電力貯蔵デバイスの性能が向上し，自動車分野では既に実用化が進められ，鉄道分野でも，回生電力の吸収や架線電圧の補完用途等への期待が高まっており，開発が急ピッチで進められている。そのような状況の下，当社は，東日本旅客鉄道㈱と小田急電鉄㈱の協力を得て，電力貯蔵デバイスを応用した車両推進制御システム開発を推進してきた。本稿では，それらの開発内容を述べるとともに，今後の展望として，車両編成全体の情報を管理する車両情報統合管理装置（Train Integrated Management System：TIMS）が，電力貯蔵デバイスやディーゼルエンジンを統合管理し車両編成内のエネルギーを高効率に制御する方式について述べる。