《シリーズ　農林水産関連の研究開発レポートー⑦》地球規模の環境問題への貢献を目指した国際農林水産業研究

摘要

2007年に閣議決定された長期戦略指針「イノベーション25」においては、食料環境問題等での国際貢献が求められています。 また、2008年5月19日に総合科学技術会議が取りまとめた「科学技術外交の強化に向けて」の中で、「現在の国際的な状況を見ると、近年、地球温暖化や感染症対策を始め、科学技術の更なる発展なしには解決策がない世界的な課題の脅威が急激に増している。 これらは、世界各国が国際的に協調協力し合い高度な科学技術を十分に駆使することなくして解決できないものであり、科学技術を利用しなければ外交課題の解決を達成できず、しかも科学技術を進歩させることがその外交課題の解決に不可欠である」ことが指摘されています。 このように、近年の国際的な食料情勢の変化や地球温暖化問題等の顕在化など、農林水産分野をめぐる国際的な環境が大きく変化するとともに、国際的な研究の推進が重視されるようになっています。 ここでは、地球規模での研究環境の変化と、これに対応すべく行っている、独立行政法入国際農林水産業研究センター（Japan International Research Center肋Agricultural Sciences：JIRCAS）の最新の研究の一部を紹介させて頂きます。