秋季から冬季の窒素施肥時期がリンゴ幼木の 発芽障害に及ぼす影響

摘要

リンゴの主産地である青森県の施肥時期は春とされ，一般的には4月中に行われている（坂本，2006).—方，長 野県の窒素施肥時期は11-3月に80%， 9月に20%とさ れており（長野県農政部，2000),山形県では9月下旬-10月上旬（山形県農林水産部，2007)，福島県では秋肥 (9月下旬-10月上旬）と冬肥（12月）（福島県農林水産 部，2006)と，降雪が少ない地域では秋から冬に行われる 地域が多い.肥料を効率的に吸収させるためには春先がよ く ，特に融雪期に流亡量の多い多雪地帯では一般的に春肥 が行われている（小原，1991).一方，窒素の秋基肥（9月 中旬）では春基肥（3月中旬）と比較し高品質果実生産に 有効であつたと報告されており（加藤ら，1999),施肥時 期として春力;'避けられている要因となっている.幼木の場 合，果実生産を控えて樹冠の拡大が優先されるが'，施肥時 期については成木に準じ，降雪が少ない地域では秋から冬 に行われている.