【ワールドリポート一世界の最新農産物事情】均衡を模索する米国の穀物需給、不均衡さを増す中国の穀物需給

摘要

日本のM節季では「寒露」の候となり、北半球の穀倉地帯では農家が秋雨前線の合間を縫つて春作物の収穫作業を進めている。今秋の北米大陸は、8月下旬からハリケ—ンの襲来が続き、10月にはカリフォルニァ州のワイン産地での山火事と、天候不順の年の印象が強い。振り返ると、春作物の播種時期がコ—ンベルト東側では低温多雨型、西側は温暖乾燥型と両極端の天気ではじまつた。大平原南部の冬小麦地帯では降雨不足の中で遅霜が発生、北部の春小麦産地では著しい高温乾燥気候が定着して、高タンパク小麦ゃデュラムの供給不安を煽つた後、アメリカ産小麦の作柄は前年比お.6%の減産に相当する4757万トンで確定した。夏場に向かい大平原北部の旱魃傾向がコ—ンベルト西側に波及し、トウモロコシは7月の受粉期、大豆は8月の開花,着莢期への悪影響が心配されたが、8月は低温適雨型の天気に恵まれ、9月からは温暖乾燥型の天気が定着したことで、今年も豊作が確実視されるようになった。米国農務省の10月度生産高推定はトウモ口コシの単収は10.78と前年実績のS . %トンに届かないが史上第2位で、3億6273万トンの作柄が見込まれた。収穫面積が前年比4 . 8%少ない3364万に減退することが災いして、則年より2 205万トン(5.7%)の減産になった。