食文化型アグリビジネスの成立条件と課題　－京都府美山町北集落を事例にして－

摘要

最近，地域経済振興対策として従来の外来型開発の推進よりも住民が中心となった「地域内発的発展」が注目されている〔1〕．内発的発展の研究は1969年鶴見和子によって提起，分析されている理論であり，地域経済学の研究においてこの理論を用いて積極的に考察したのは宮本憲一である．宮本は鶴見が提起した内発的発展論と農山村にお、けるムラおこし運動をヒントにこの問題を提起する〔2〕．氏は外来の資本（国の補助金をふくむ）技術や理論に依存して開発する方法を「外来型開発」とよび，「従来の農村行政ではこの外来型開発が進められてきたが，そのような開発には多くの限界があるので，地域経済の内発的発展が求められている」とする．