畦畔管理におけるヒガンバナの意義とその他感物質リコリンおよびクリニンの同定

摘要

畦畔は，田畑を仕切るあぜであり，水田の周囲をとりまいて所有権を明確にする意義がある二農作業面から見ると，畦畔は作業のために人や農業のための機械が通過する道路であり，米．麦などの収穫物が運搬されるための通路である。 二万，畦畔は圃場内の作業において発生する雑草等の残さの捨て場としての役目もあった。畦畔は，一定の土地を周囲の自然環境から切り離して，稲のような均一な作物を栽培するための防波堤の役目も果たしている。 日本のような温暖多雨の環境では，雑木雑草の生育が旺盛であり，このような自然環境の中で農作物を生産する農業生態系を維持するために畦畔が持つ機能は重要である。 畦畔は外界からの雑草雑木，害獣や害虫の侵入から農地を守るための防御ゾーンであり，自然生態系と農耕地との境界をなすフロンティアであるともいえる。