過疎農村地域におけるスポーツネットワータを通した地域づくりに関する研究

摘要

少子高齢社会の問題が深刻化しており，過疎の進行も著しい農村地域では，特にこども達に対し，充実したスポーツ環境を提供していくことが困難な状況にある。 児童生徒数の減少に伴うあそび仲間の小規模化や学校部活動の廃止等は，地域の子育て環境整備の問題点の一つとして挙げられる。農村地域の小規模校注では，小学校は複数学年合同の体育授業実施，中学校はスポーツ種目の選択肢が2種目のみ等，スポーツ環境は充分ではなく，「競技可能なスポーツ種目が少なさ」「活動仲間の小規模化」が小中学校統廃合注の理由となる場合も少なくない。都市部と比較すると施設、組織、指導者に多様性がなく，こども達の環境にとどまらず大人にとっても，活動種目と機会が限られたものにならざるを得ない。 地域における輸しみ行事、コミュニティの場として従来機能してきた運動会やスポーツ大会等も，少子高齢化の進行に伴い縮小、廃止となる地域が増える傾向にある。