ォホ—ック海の海の幸は流氷のたまもの？—ォホーック海域のモニタリングをとおして生物生産機構を探るI

摘要

ォホ—ック海は北海道の北東部に面し、千島列島で隔てられた太平洋の縁辺海の一つである。千島列島の海峡との間で太平洋側との海水交換がある一方、日本海からは宗谷海峡を通じて暖流が流れ込み、宗谷暖流として北海道の沿岸を流れている。加えて、北部ではアム—ル川から大量の淡水が流入するため、表層には低塩分水が広く分布するという特徴を持っている。漁業、水産業の面では、ォホ—ック海域は代表的なホタテガイ漁場の一つであり、北海道の宗谷とォホ—ック管内でのホタテガイの水揚げ量二八四千トン、平成二八年)は全国の水揚げ量の四三％を占める。ホタテガイ以外でも、さけます、スケトウダラ、力二類、タコなどの水揚げも多く、国内有数の漁業生産力の高い海域である。