牛下痢5種混合ワクチンを用いた黒毛和種子牛の下痢予防

摘要

奈良県畜産技術センター（みつえ高原牧場）では，併設される奈良県畜産農協連合会育成牧場に胚移植の技術供与を行うことで，県下に優秀な血統を持った肉用素牛の供給を図っている。育成牧場で生産された子牛は約8カ月齢で宇陀家畜市場に出荷されるが，冬季の晴乳子牛に下痢が多発し，死亡、損耗による経済的損失が大きく，問題となっていた。 また，胚移植を受けて下牧した預託乳用牛が各酪農家で産出した子牛も同市場に出荷されるが，その成育が斉一性に乏しいとの指摘もあった。そこで当センターでは，哺乳◎育成期の発育成績向上と下痢の予防を目的とし，人工初乳。 人工哺乳、ワクチン接種を応用した適切な晴乳、育成技術を検討し，健康で発育性に優れた子牛を生産できる技術の確立を目指す試験を行ってきた。 本稿では午下痢5種混合不活化ワクチンについて調査検討した成績について紹介する。