育成牛の胸腺型白血病

摘要

牛の白血病は，地方病性で牛白血病ウイルス（BLV）が原因となる成牛型と，散発性で原因が不明である子牛型，皮膚型，胸腺型の4種類に分類されている。胸腺型白血病は9　3カ月～2歳の午に発生するまれな病型で，胸腺の腫瘍化を特徴とした疾患である。　今回，ホルスタイン育成牛に発生した胸腺型白血病の症例について報告する。　症例は体重206kg，9カ月齢のホルスタイン種雄牛であった（表－1）。来院の1カ月前より頚部が腫脹しはじめ，経過観察を行っていたが，腫癌は大きさを増して，活気減退，起立難渋，食欲不振，体表リンパ節の腫大が顕著となってきたため，2009年3月28日に来院した。