きのこおもしろ百科(7)「きのこの食文化」

摘要

青森県など東北地方の緙文時代中期-後期(4000-3500年前)の遺跡から、当時の人々がきのこを身近な食料として利用していたことを示唆する遺物「きのこ型土製品」が多数発見されています。それらは、食用可能なきのこを実に精巧に模したものであり、毒きのこ中毒を防止するための「縛文版きのこ見本」として用いていたと考えられています。このよ、つに、森の産物であるきのこは古くから食用にされていたと思われますが、きのこに関する記事が文献に現れるのは奈良時代以降のことです。最古のものとして、日本書紀には吉野の国の住人が応神天皇に土地の産物であるきのこを献上したことが記されています。万葉集、古今和歌集、古今集などには、マツタケがしばしば詠まれているように、平安時代の貴族や歌人はマッタケ狩りを楽しhでいたようです。