好熱性酵素を用いた細胞外カスケード反応の構築と有用物質生産への利用細胞の外側でつくる人工代謝経路

摘要

コリネ型細菌によるグルタミン酸の発酵生産が商業化されて 以来，わが国では有用微生物の育種研究が精力旳に進められ てきた1'1.この過程で先人たちは，膨大な数の突然変異株ラ イブラリーから所望の特性を有した株を効率的に選抜するため，栄養要求性やアナログ物質耐性に着目するといつたさま ざまな工夫を施してきた.やがて時代がくだり.遺伝子組換 え技術を用いた微生物ゲノムの改変が可能となったことで， 発酵生産菌の育種研究も大いに加速化された.これらの研究は1998年のStephanopoulosらの著作(21を契機に，metabolic engineering (代謝工学）という一つの学術分野として体系 化されるに至っている.