果樹栽培における鳥獣被害及び防止法の現状

摘要

烏、獣による果樹の被害が拡大し，対策が急務となっている．このためその披害傾向及び防止法の実態について果樹試験場養成研修課程修了者を対象にアンケート調査を実施した．1．栽培されている果樹類はウメを除さ大部分の果樹で，鳥、獣により果実を主附こして被害を受ける．2．被害郡は加害する鳥獣の種現によって異なるが，鳥類では果実を主体とするが新芽や花芽にまで及ぶ．獣煩では鳥類と同様主に果実を加害するが，新芽，樹皮，板の損傷にまで及ぶ．3．加害する鳥類はカラス，ヒヨドリ，ムクドリ，スズメ，メジロ，オナガ，カササギ，ウソ，カヮラヒワ，シロガシラの10種類で，このうちカラス，ヒヨドリ，ムクドリは全国的に加害の多い種である．4．加害する獣類はサル，タヌキ，ハクビシン，イノシシ，キツネ，シカ，クマ，ウサギ，カモシカ，ノネズミ，リエキュウコウモリ等の11種類で，このうち比較的多くの県で加害の多い種はイノシシ，タヌキ，ハクビシソ，サル等である．5．防鳥、獣対策法としては既往の防止法が各地で広く利用されており，鳥類防止法では防島網や爆音機等21種類に及び獣額防止法では捕粗札網等1昭掛こ及hでいる．6．現在のところ有効な鳥、獣防止法は，捕獲（殺）や軌柵（電気牧剤を含む）による湖と烏、獣とを隔離する方法である．