食品の晴好とPROP味覚感受性の関係

摘要

人間の食品噂好を形成する因子には，生理的因子（人種，性，年齢，体質等），心理的因子（気質，性格等），社会的因子（習慣，風習、慣習，宗教，文化等）などがあり，それらが複雑に関係し合って晴好が形成されている。 しかし，食品嗜好の形成メカニズムについてはあまり明らかではない。 晴好形成要因の1つとして，今回，味覚感受性に着目し，晴好性との関係について検討した。 PROP（6－n－propylthiouracil）やPTC（phenylthiocarbamide）は，－N－C＝S構造をもち，苦味を呈する物質であるが，一部の人はこの苦味を弱く感じたり，ほとhど感じなかったりする。 これらの人たちは，いわゆるnon－taster（味盲，taste blindness）と称せられ，メンデルの遺伝法則の劣性遺伝をすると言われている。近ごろでは，PROPはPTCより匂いが少なく，よく研究に用いられるようになっている。