世界と日本のアニマルウェルフェア畜産ビジネスの新展開（3)一養鶏産業におけるAW食品ビジネスとイノべ一ションー 第3回欧米における養鶏飼育システムのAWイノベーション

摘要

畜産の歴史において生産性は常に進化してきた力S,特に鶏卵生産はFCR (飼料要求率）に優れ， 他の家畜と比較して生産設備におけるシステム化が可能であることから，コストの安い良質な タンパク質として世界中で消費者に提供されてきた。生産性の向上に生産者の企業努力，衛生資材の開発，獣医コンサルトによる適切な管理，飼料の 安定化そして鶏種の育種改良等の取り巻く環境の発展があったことに間違いない。しかし，それ 以上に設備面での鶏舎構造，ケージシステムの多段化ゃォートメ一ション化等の革新が集約型 畜産を可能とさせた重要な要素である。この変革は皮肉にも1965年にフランべルレポートにおいて "集約的畜産が虐待を生む可能性"を指摘しているように，近代養鶏がヨーロッパにおける アニマルウェルフェア（以後AW)に対する関心を高めたと言える。