抗体医薬と糖鎖の役割

摘要

近年の抗体上学の進歩により，ヒトに対する抗原性が低く臨床応用可能なヒト型キメラ抗体，ヒト型相補性決定領域（complementarity determining region；CDR）移植抗体などのヒト化抗体，および完全ヒト化抗体を作製することが吋能となり，抗体は多くの臨昧試験においてその有効伴が実証されてきた。 癌領域では非ホジキンリンパ腫適応のリッキサン（抗CD20キメラ抗体），乳癌遠心のハーセプチン（抗Her2ヒト化抗体）などの抗体医薬が期待の新薬として登場し，新しい医療分野を開拓している。 抗体医薬の特徴は，抗原特異的な結合活性，血中での長い安定性および抗原特異的エフェクター活性などを介して発揮される高い薬理効果である。これまでに認可された抗体医薬の総数は既に10を超えている（表）。