文書画像の輪郭演算によるスタンプ検知手法

摘要

入出金や物品取引の証明として発行される伝票類を取り扱う業務では，日付印（領収印）の有無をチェックして当該伝票を分類することがタスクの一つとなっている．本報告では，カラー画像，グレー画像または二値画像として入力された帳票画像から，日付印の有無判定，更に押印された領域を正確に検出する自動認識機能について述べる．本方式は，文書画像から輪郭を抽出し，輪郭追跡によるハフ投票により，所定形状を持つ印影を検出する．押印のかすれ·つぶれ，背景模様と押印の重なりなどの外乱要因に対応し，かつ処理速度の高速化を図るために，輪郭の区分線分列での近似と，区分線分列に対するスムージングなどの輪郭演算，省略化したハフ投票を導入することで改善を行った．自社収集サンプルで評価実験を行った結果，日付印の正検知率98.7％を達成した．