着実に需要を伸ばすスーパーエンプラPEEK（I)--Victrex PEEKの特徴と応用例

摘要

スーパーエンプラのPEEKが着実に需要を伸ばし、生産能力を増強している。 PEEKは1978年に英国のICI社で開発され、1981年にICI社によって「Victrex」の商品名で土市された。 当時世界初の超耐熱性熱可塑性樹脂として注目を集め、BASF社、Amoco社、Hoechst社、DuPont社などが同類の芳香族ポリエーテルケトン系樹脂の開発に着手した（表1）。 価格が高いことから当初軍需中心に開発が進められてきたが、その後の東西冷戦の終結に伴って、軍需が減退したことから、最大の需要先を失い、各社とも開発を中止せざるを得なくなった。 1995年になって、Shell Chemical社が、価格の安い脂肪族ポリケトン「Carilon」を開発上市したが、Shell社のリストラクチャリングで1998年にはこれも市場から姿を消していった。現在は、ICI社から分社独立したVictrex社とBASF社が芳香族ポリエーテルケトン系のスーパーエンプラの開発販売を続けている。