Siナノ粒子のみで高出力な全固体電池用負極電極の開発

摘要

Si負極は、Li金属基準電位（Li~+/Li）に対して +0.4 V以下という非常に卑な電位に4200mAh/gと非常に大きな容量密度を示す。この容量密度は市販のリチウムイオン二次電池で長らく一般的に利用されてきた黒給負極の約11倍にあたる。したがって現在、一充電当たりの航続距離延伸が最重要課題の一つである電気自動車用リチウムニ次電池の高容量化実現のため、その実効的な適用技術開発が世界規模で活発に行われている。Si負極は、大量のLiを吸蔵·放出することが可能なため、充放電に際し必然的に非常に大きな体積の膨張·収縮を経験する。変化率320%の非常に 大きな体積変化は、12%しか変化しない黒鉛負極での豊富な知見が全く役に立たない領域であり、この変化に伴って生じる急激な容量低下への対処には従来の技術概念を超えた大きなブレークスルーが待たれている。