構造発色孅維「モルフォテックス~R」

摘要

弊社での、「驚きの色材」創製に夢を膨らませた調査研究に端を発し、その後の大学との連携、企業風土の異なる3社（日産自動車（株）、帝人ファイバー（株）、田中貴金属工業（株））での繊維化共同開発というステップを経て、十数年の長きにわたる挑戦の末、開発に成功したのが、「構造発色繊維モルフォテックス官~R」である。 それは、従来の色材改良というアプローチではなく、自然界、とりわけ生物（モルフォ蝶麹）の発色機能に眼を向けたバイオミメティックスの取り組みから始まったものである。 本稿では、蝶とは無縁であった素人集団が、人々を魅了し続けるモルフォ蝶麹の「色」に着眼し、独自のアプローチによる発色機構の解明を適して開発に成功した構造発色繊椎を紹介するとともに、今後の応用展開についても少し言及したい。