小児期，思春期，青年期のレシピエントにみる精神心理的問題

摘要

2002年9月，第24回日本小児腎不全学会での企画セッションにおいて，小児期の長すぎる闘病期間を経て結果的には物理的な腎移植は成功したものの，精神心理的な問題から社会適応に大きな問題を残した2症例を検討する機会を得た。 患児と両親の家族背景·病歴·移植前後の経過の検証などからは，腎不全小児と家族のかかわり合い，透析療法のあり方，移植のタイミング，ドナーの選択肢などをはじめ，移植後の家族や社会とのかかわり合いなど，小児腎不全医療において継続的に熟慮されるべき，普遍的な数多くの問題があることが露呈された。