プレシナプスCaチャネルのダイナミックな働き

摘要

神経終末端の電位依存性Ca チャネルはシナブス間隙側の膜に局在しており，軸索を伝播する活動電位が末端に達すると開口してCaを流入させる.Caは末端内に一過性に高濃度ドメインをつくり，その後，拡散消退する.Caドメィン近傍のシナプス小胞のCa 感受性膜蛋白質がCaと結合することによつて小胞膜と末端膜の融合が誘発され，小胞内の伝達物質が開口放出される.CaドメインのサイズはCaチャネル蛋白質の密度と小胞からの距離に依存し，数十nm(nanodomain)から数百 nm (microdomain)にわたる.