過敏性肺炎

摘要

過敏性肺炎は，疾患感受性のあるみが抗原を繰り返し吸入して感作され，その後吸入した際に肺局 所でアレルギー反応を起こし発症する疾患である.過敏性肺炎は日常の生活環境にある抗原の吸入に よって発症する疾患であり，けっしてまれな疾患ではない.臨床症状，画像所見，一般的な検査所見 では，急性過敏性肺炎は感染による急性肺炎，慢性過敏性肺炎は特発性間質性肺炎と類似するため, それらの疾患を疑った際は，過敏性肺炎の可能性がないかを考慮する必要がある.患者の問診は重要 だが，自覚していないことも多いため患者宅や活動範囲の環境調査，職業，趣味などの調査も必要で ある.診断を確定し抗原回避を行うことにより予後を改善することができるが，診断の遅れや不完全 な抗原回避により病状が進行すると不幸な転帰をたどるため，プライマリ，ケアにおいて過敏性肺炎 を鑑別に入れて精査を進めていくことは重要である.