胆嚢内異所性骨形成の1例

摘要

異所性骨形成は手術創瘢痕内や悪性腫瘍内における発生が知られているが，胆嚢に発生することはきわめて稀である．今回筆者らは胆嚢結石に合併した胆嚢粘膜内骨形成を経験したので，文献的考察を加えて報告する．患者：66歳，男性.主訴：自覚症状なし.既往歴：61歳時に脳梗塞.現病歴：1999年2月，肺炎で当院入院中に施行したCT検査で胆嚢結石を指摘され，3月16日手術目的で入院した．入院時現症：身長153cm，体重68kg．血圧150/80mmHg，脈拍56/分．腹部は平坦，軟で腫瘤は触知しなかった．入院時血液生化学検査：生化学検査でGOT45IU/l，GPT55IU/lと軽度上昇を認めたが，貧血，黄疸は認めなかった．