下大静脈原発平滑筋肉腫の1切除例

摘要

血管原発の腫瘍の多くは平滑筋肉腫であり，稀な疾患で予後不良とされている.今回われわれは下大静脈原発平滑筋肉腫の切除例を経験したので報告する. 症例症例：60歳，女性主訴：歩行時の両側大腿部痛，全身倦怠感既往歴：13歳時に虫垂切除術を受けた. 現病歴：2005年2月頃から歩行時の大腿部痛および易疲労感があった.同年8月の健康診断で蛋白尿を指摘され，同時に全身倦怠感も出現したため近医を受診した.腹部超音波検査で後腹膜腫瘤を指摘され，前医を紹介された.前医での腹部CTおよび腹部MRI検査から下大静脈腫瘍が疑われ，加療目的で当院を紹介された.