禁煙指導

摘要

喫煙は肺気腫をはじめとする種々の呼吸器疾患や肺ガン，食道ガンなどの悪性腫瘍の最大の外因性危険因子であり，個人差はあるもののその発症に深く関与していることが確立されている。 特に日本におけるCOPD患者の多くが多量喫煙者であり，発症率は年齢，喫煙量に比例して増加する。 喫煙は気流制限をおこして肺機能低下の経年変化を促進させ，禁煙によりこの変化は遅延させることができることが文献的にも証明されており，喫煙者のCOPDによる死亡率は非喫煙者に比べて5～10倍と高いともいわれる。 さらに非喫煙者のタバコの煙への受動的な暴露（受動喫煙）は小児において呼吸器疾患の発生頻度を増加させ将来的にCOPD発症の原因となる可能性も指摘されている。