イチゴにおけるカブリダ11類を活用したハダ二のIPM

摘要

イチゴは九州から関東.東北にわたる産地で生産されており、栽培面積は約7 0 0 0,haにのぼる。また、そのほとhどが施設栽培であるため、ハダ二やうどhこ病などの多くの病害虫が発生し、その防除に化学合成農薬が多用され、薬剤耐性菌や薬剤抵抗性の問題が生じている。とりわけハダ二には有効薬剤が少ないため、農薬のみに依存した防除が難しい現状にある。また、イチゴは子供や女性に人気が高い果物であり、生果を直接口にすることから、消費者の「安全.安心」に対する関心は極めて高い。そのため、農薬に対する依存度を減らし、天敵類や物理的手法などの防除手段を組み合わせた総合的病害虫管理(IPM)技術,の開発が強く望まれている。こ、つした背景から、九州沖耦農業研究センターでは1998年から2 oo8年にかけてチリカブリダニ (図1)ゃミヤコカブリダ二(図2)を利用したハダ二の生物防除の開発研究を進め、秋期のハダニの発生前にカブリダ二をスケジュールで放飼するIp M体系を開発した。この体系は、暖地の福岡県と寒冷地の宮城県を始め各地で、実用性を付加した体系に改善され、その普及が全国で進められている。