イチゴの底面給水による雨よけ高設ベンチ育苗「ノンシャワー眉西」

摘要

イチゴの育苗期は、夏の高温時期を経過することから病害の発生も多く、イチゴ生産の不安定要素になっている。 土壌伝染性病害の回避と作業性の改善のため雨よけハウス育苗、さらに高設ベンチ育苗や隔離育苗が普及している。 しかし、未だ炭そ病等の発生がみられ、完全な発病防止に至っていない。 雨よけ高設ベンチ育苗のかh水方法は東上かh水であり、青首中の株間が狭く風通しが悪く、炭そ痛が発生しやすい高湿多湿な環境である。 底面給水は花き等で幅広く行われている方法であるが、イチゴの育苗に導入するに当たり、①親株から子苗育成まで頭上かh水しない体系が確立されていない、②イチゴの育苗には特有の花芽分化促進のための窒素中断処理があり、それが底面給水においても確実に行える、③給水マットに病原菌が進入するとそれが次年度の汚染源になり、さらに病根がマットに伸長すると防除がより困難になる、④受けポット方式で行う場合、ランナーが底面給水の表面を伸長することから、黒色の全面有孔ポリマルチを敷く方法ではランナーが高温障害を受ける可能性があり、白色の資材を検討する、⑤開発ベンチの病害抑制効果の確認等の課題を解決する必要があった。