果物（リンゴ）による健康維持、増進

摘要

最近低迷する果物消費の拡大をはかるため、果物のもつ機能性成分がアピールされ、「毎日くだもの200グラム」運動が展開されている。 これまでの果物の機能性成分に関する研究では、誤って理解されてきた知識を正す結果、生活習慣病に対する効果などが報告されており、科学的な裏付けとなっている。 独立行政法入来樹研究所においても、カンキツ、リンゴを中心に、機能性成分に関する研究が精力的に行われている。 その中から、ここではリンゴの持つ機能性についてとりまとめて解説した報告を紹介する。 機能性成分が人体に及ぼす影響を検討するには、ヒトを対象にしたと卜介入試験が必要となる。 田中らは所定の手続きを経てヒト介入試験を実施している。 この試験では被検者14名の協力を得て、3週間、1日たり2個程度（360～480g）のリンゴ食べてもらい、血液成分、腸内細菌叢の変化をみた。試験中はリンゴ以外の果物やヨーグルト、納豆などの腸内細菌に影響を与える食品の摂取は制限したが、その他の食事については制限をしていない。