トマト袋培地栽培システム

摘要

トマトでは土壌病害対策および収量、品質向上のため、ロックウール栽培、隔離床栽培等の導入も見られるが、栽培ベッドや架台を有する場合は導入経費が高く、設置件業も大変である。また、培地量が少ない栽培では、生育を安定させるために排液も多くなる傾向がある。 そこで、愛知県農業稔合試験場で開発した設置が簡単で環境負荷の少ないトマト袋培地栽培システムについて紹介する。 ①自根栽培ができ、仮に土壌痛害発生等のトラブルでも一部の袋培地のみを更新することで対応できる。②袋が栽培容器も兼ねているため、比較的安価に栽培システムを導入でき、給液装置も含めた主な資材経費は約130万円／10a程度である。 ③本圃のシステム設置作業は袋培地を並べる作業が中心であり、また水平をとるなど精密さを必要とする作業はなく、自家施工が比較的簡単にできる。 ④肥料分は液肥で毎日少しずつ必要量のみ施用することで草勢過多を抑制でき、土耕栽培に比べて収量、品質の向上が期待できる。 ⑤水分センサによる自動潅水によって少ない排液で栽培ができる。 ⑥袋培地は3～5年連用でき、使用済みの袋は肥料袋同様に廃プラスチックとして処分し、培地は有機物を多く含hだ土壌として耕地に投入できる。