長野県におけるリンゴ産地での大規模果樹経営の 取り組み状況と今後の展開

摘要

私は長野県安曇野市(旧三郷村)に生まれた。この地域は昭和四〇年代に灌水施設ができたことにより、リンゴを中心とした果樹栽培が盛hになり、現在は「あづみブランド」として有名なリンゴ産地となつている。私は高校卒業後、東京農業大学に進学した。そして大学を休学してアメリカォレゴン州の果樹農家で実習をした。就職するつもりだったので、在学中にアメリカに行ったのだったが、研修中にその気持ちは変わった。「よーし、日本に帰ったら、俺もアメリカのようなでつかい農場経営をしてみたい」と大きな夢を持った。今まで農業は暗い職業だと思っていたが、その思いは、夢のある明るい職業に変わった。もう三五年も前の話になる。その後、高齢化や後継者がいなくて作れなくなつた近所のリンゴ園を借り受ける形で規模拡大が進み現在は一八、五^まで面積を拡大することができた(表1)。