カキにおける晚霜害対策:防霜扇の導入事例

摘要

奈良県中西部に位置する五條市。下市町は、全国でも有数のカキ産地であり、山成開墾された傾斜地を中心に約一七〇〇haのカキ園が広がつている。一方、地形の関係上、谷間や山裾などいわゆる「霜たまり」になる場所が必ずあり、このような場所については、従来からカキに比べれば春先の晚霜害に強い果樹(ウメ等)が植栽されてきた。しかし、そのような場所にもカキの植栽が見られることや年によつては四月始めの発芽期にかなりの低温に見舞われることもあり、平均して、五、六年に一回程度は、一部の園地が晚霜害の被害を受けることが従来からあつたのも事実である。