肺がh術後骨転移·がh性リンパ管炎の疼痛と呼吸困難に対し， フェン夕ニル注射剤によるタイトレーションにてフェンタニル貼付剤（デュ口テツプパッチ）と塩酸ォキシコドン(ォキシコンチン）の至適投与量を決定し得た1例

摘要

昨今のがhに対するdisease-modifying treatmentの進歩により，初期治療後に転移再発を繰り返して数年の経過をたどりながら結果的に末期状態に至る患者に接する機会が増えている。これは確かに「がh治療における生命予後の改善」を実感する現象ではあるが，患者にとっては，がhとの闘いに加えて治療の副作用や疼痛など様々な症状と向き合う時間が数年に及ぶということをも意味している。こうした状況を背景に，disease-modifying treatmentと並存するpalliative care の重要性力本邦のがh治療においても不十分ながら認識されつつある。われわれは，肺がh術後骨転移·がh性リンパ管炎の疼痛と呼吸困難に対し，フェンタニル注射剤によるタイトレーションにてフヱンタニル貼付剤と塩酸ォキシコドンの至適投与量を短期間で決定し，良好な症状コントロールを得た1例を経験した。タイトレーシヨン後の薬剤投与量は，フェンタニル貼付剤35mg+塩酸ォキシコドン60mg+ベタメタゾン4mgとなった。薬剤の特性，タイトレーシヨンの具体的な方法，文献的考察とともに本症例の経過を報告する。