単孔式腹腔鏡下下行結腸切除術を施行した馬蹄腎併存下行結腸癌の1例

摘要

症例は67 歳，女性。血便を主訴に近医を受診し，下部消化管内視鏡検査にて下行結腸に全周性の3 型腫瘍を認め，下行結腸癌と診断され手術目的に当科紹介となった。術前のCT で馬蹄腎を認めた。馬蹄腎を併存した下行結腸癌（cT3cN0cM0，cStageⅡa）に対し，単孔式腹腔鏡下下行結腸切除術を施行した。術中，副損傷などはなく安全に手術は終了した。馬蹄腎は症例により血管系?腎盂尿管系の走行に異常を認めるため，3D-CTなどの術前検査で十分に解剖学的異常の把握を行うことが安全に手術を行う上で肝要であると考えられた。