新ステージへ向かう石化業界、稼働率より利益率競う時代に移行－クラッカー3基停止で一段落か／高率稼働は2016年以降－

摘要

2013年は日本のエチレンセンターがそれぞれ方向性を定めた年だったといえよう。同一場所に立地する2つのナフサクラッカーのうちの片方を止め、1基に集約することで稼働率を高めたり、ダウンサイジングを図ることで低稼働に備えるなど、一定の利益率確保に向けた諸対策を固めた年だった。また自社のクラッカーを止める代わりに出資先から基礎原料のオレフィン類を受給する方針に切り替えた"自前主義”からの方向転換に踏み切った年でもあった。計画通りに進めば2016年以降は高稼働が期待できるが、各社が追求するのは真っ当な利益率。もう赤字事業への転落は許されない。1エリア1クラッカーという立地のため、他センターと連携しにくいセンターもあるが、誘導品事業や輸出戦略の見直しによる生き残りを賭けた生産·販売体制作りは欠かせない。