三井化学·石丸ウレタン事業本部長に聞く～成長戦略へ回帰－スペシャリティ分野を強化／海外で事業規模拡大－

摘要

三井化学のウレタン事業の業績が急速に改善している。同事業の2011年度営業利益は円高と市況低迷により146億円の赤字を余儀なくされたが、抜本的なコスト構造改革を断行し、2012年度に120億円（2012年度は26億円の赤字）もの赤字削減に成功した。さらに2013年度からは、為替など事業環境が好転しつつあることも踏まえ、成長戦略への回帰を図る構えだ。このけん引役はスペシャリティ分野で、現在、特殊イソシアネートの開発を進めているほか、スペシャリティ製品を国内だけでなく、グローバルに展開していく意向。一方、バルク製品では、50％出資する韓国·錦湖三井化学でのMDI（ジフェニルメタンジイソシアネート）の増産に意欲を示すとともに、SABIC（サウジ基礎産業公社）のTDI（トリレンジイソシアネート）／MDI計画への参画を検討している。同事業の舵を取る石丸裕康·ウレタン事業本部長兼ポリウレタン材料事業部長に事業の現状や今後の施策について聞いた。